- 2019年2月中旬
- 大阪府
- 1日間
ES
提出締切時期 | 2019年3月上旬 |
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私の研究テーマは,マルテンサイト鋼における水素脆化の第一原理計算です.
自動車や輸送機器の軽量化に向けて,高強度鋼の利用が望まれています.しかし,強度が高くなればなるほど遅れ破壊が生じやすくなってしまう問題のため,その工学的な利用は妨げられています.私は第一原理計算による原始シミュレーションを用いて,マルテンサイト鋼のような高強度鋼の水素脆化現象について調べています.具体的には,適当な場所に原子を配置して条件を整え,計算を回すことでエネルギーなどの値を見て,原子配置の変化による安定性の検証などを行っております.そしてそれらから,炭素濃度を変化させた時にどれだけの水素が材料内に入り込むのかを考察しています.
私の研究において最も難しい所は,計算結果が正しい値かどうかを自分で見極めなければならないところです.およその値は先行研究により推察することができたりするのですが,細かいところまでは分かりません.また,計算自体が収束せずに発散してしまうことがよくあるのですが,この原因は原子配置が悪かったのか,もしくは計算条件に間違いがあるのかなどを判断する必要があります.さらに,計算には短くて1日,長くて1週間以上の時間を要するため,少しのミスによって大きく時間を取られてしまいます.私はこの研究によって,物事を実行する前に前提条件を再確認することや,周りの情報と照らし合わせることの大切さを学ぶことができました.
誰が聞いてもわかりやすい内容になるように,簡単な言葉遣いを用いることを注意しました.