- 2020年2月中旬
- 東京都
- 5日間
- 交通費支給あり
- 昼食支給あり
ES
提出締切時期 | 2019年11月下旬 |
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私は大学院で数理科学を専攻し、特に数理ファイナンスに関わる分野について研究をしており、その実践的側面からの理解を深めたいと思い、このコースに応募いたしました。私が数理ファイナンスを研究している理由は、数理科学がどのように社会の中で役に立つのかということを理解したいというものだったのですが、研究の現状では、理想化された環境下での理論の展開に重点が置かれているために、実際にどのように数理ファイナンスの理論が現場で使われているのかという点について今一つ理解が深められていない状況にあります。そこで、当コースに参加することで、現場における理論の活用方法について理解を深め、数理ファイナンスの課題や限界を知り、今後の研究の参考にするとともに、理想化されていない複雑な環境下において、理論を越えて実践を行っている金融商品開発等の業務の魅力を体感したいを思っています。
株式や債権の取引の際に使われる金融商品の価格の決定について研究を行っています。株式の値動きをグラフに表すと、多くの場合、上下に激しく変動するグラフが書けるようになります。これを数学の言葉で解釈すれば、確率的に、すなわちランダムに価格が変動しているということになります。そこで、今までは金融商品の価格を求める際には、確率的なものを数学的に解析する方法である「確率解析」が用いられることが主流でした。しかし私の研究では、株式の値動きをランダムなものとして解釈するのではなく、一つのグラフとしてそこから情報を引き出す手法である「ラフパス解析」というものを用いて金融商品の価格付けを行っています。ここ引き出す情報は、グラフの変動幅とグラフの変動に関わるもう少し複雑な情報だけでよく、これらの情報はコンピュータープログラミングで簡単に計算できることに加えて、この手法による金融商品の価格付けはかなり精度がよいことが数学的に証明されており、従来の手法と比肩する価格付け方法になると期待しております。また、従来方法では金融商品ごとに計算方法を変えるというのが主流であったのですが、私の研究する手法では、様々な金融商品の価格を統一的に表現できるため、この計算方法によるプログラムを作ることで、金融商品の計算の画一的なプラットフォームを形成することが期待できます。私は、この手法に関する理論を深めるとともに、情報を引き出すプログラムの開発についても研究を進めたいと思っています。
研究内容については、専門的な用語を使わずに非専門の人にもわかるように書いた