就活日記 > [特別企画]介護のしごと体験記|05

Interview

05

久田 悠菜さん

Yuna Hisada

中央大学 文学部
人文社会学科
教育学専攻

互いを思い合う関係性をお客様と築き上げ
「世界いち気持ちいい介護」を可能に。

東京・新宿で訪問介護事業を展開する株式会社でぃぐにてぃ。「世界いち気持ちいい介護」という理念のもと、世の中のすべての人たちが最大限に自分らしく生きられる社会の実現を目指す会社です。今回、同社の職場見学・体験プログラム「でぃぐツアー」に参加していただいた久田さんの目に訪問介護の現場はどのように映ったのか、お話を伺ってみました。

介護業界で働く母を見て、自分の視野を広げたくなった

大学ではどんなことを勉強されていますか?

久田さん(以下、敬称略):児童福祉司を目指して社会学科で教育学を専攻しています。子どもの教育はもちろん、キャリア教育など広く人間形成について学べて、福祉もカリキュラムに入っています。小学校の頃から学校内の人間関係やいじめが起きる原因などに興味があり、母から児童福祉司という職業があることを教えてもらったことが、この道を目指したきっかけです。

訪問介護の就業体験に応募されたのはなぜですか?

久田:母は老人ホームで働いていて、以前は訪問介護の仕事をしていました。介護も児童福祉同様、個人と向き合う仕事なので、私ももっと自分の視野を広げてみたくなったんです。今回こちらでの体験に応募した際も、母は「たくさん学んできてね」と背中を押してくれました。

時間をかけて、お客様との信頼関係をつくることが大切

今日はどんなことを体験されましたか?

久田:朝、事業所に集合して、自転車で2人のお客様宅を訪問し、スタッフさんのケアを見学したり、少しだけ体験もさせていただきました。体験は半日コースで、終了後にスタッフさんと一緒にお昼ご飯を食べながらお話をしました。

中でも印象深かったことは何ですか?

久田:訪問介護にご一緒させてもらい、お客様のお家に伺いましたが、スタッフさんが家のどこに何があるのか全部わかっていることに驚きました。訪問介護では普通なのかもしれませんが、家の鍵やお金を他人に預けるというのは、よほどの信頼関係がなければできませんよね。それに、お客様一人ひとりの出身地や生い立ちなどの細かい情報まで把握していて、例えば美意識の高いお客様にはファンデーションを塗るお手伝いをするなど、提供するサービスの内容を人によって変えているのが印象的でした。

そこまでの関係性を作れるのはすてきですね。

久田:そうですね。お客様もスタッフさんのことが大好きなんだろうなあと感じましたし、長年の人間関係が出来上がっているんだと思うと、ちょっと羨ましくなりました。私は今日が初めての訪問で、しかも短時間の体験でしたが、すごく長い時間をかけてそうした信頼関係を作り上げていくのは、大変な分やりがいがあるのかもしれません。

お客様が本当に望む「より良い人生」のために何をするか

今日の体験でうれしかったことは何かありますか?

久田:今日訪問したお客様のどちらからも、「でぃぐにてぃで働いちゃいなよ」と言っていただいたことですね。褒めてもらえるとやっぱりうれしくなっちゃいます(笑)。スタッフの方々も、私はほとんど何もしてないのにたくさん褒めてくださって、就職活動の相談にも乗っていただいたりして、とても温かみを感じました。

スタッフさんの仕事ぶりを見ていて、大変そうだなと感じたところはありましたか?

久田:スタッフさんはお客様とお話をしている間も、お掃除をしたり片付けをしたり、そのお客様の生活をより心地よくするためずっと動き続けていました。その「臨機応変力」はすごいと思うと同時に、これを自分がやるとなったら体力的なことも含めて大変そうだと感じました。私なら頭が混乱してしまうかもしれません(笑)。

体験前と体験後で、介護のイメージは変わりましたか?

久田:もともと介護というと、お風呂やトイレの介助など、必要最低限の生活を送るためのものだと勝手に思っていました。でもそうではなく、そのお客様が望んでいる幸せな生活をお手伝いする仕事なのだということを知りました。

でぃぐにてぃの職場環境についての印象はどうですか?

久田:私はまだ社会人経験はありませんが、会社というのはみんな結構ピリピリしているイメージを抱いていました。こちらで働く方たちは皆さん仲が良さそうで温かく、私にも優しくしてくださって、こういう職場なら働いてみたいと思いました。職員の方はヘルパーが1名だけ30代後半で、それ以外は全員が20代。ほとんどが新卒で入ってきているそうです。私自身、他人に対して壁を作ってしまうタイプなので、年の離れた先輩がいるとその方の目を気にしてしまうかもしれません。その点、同世代の方が多いと居心地が良さそうですし、自分の意見も言いやすいと思います。

今日の体験は、今後に生かせそうですか?

久田:今日一日、それも数時間だけの体験でしたが、こうした仕事では一対一での信頼関係や、一人のお客様の人生がより良いものになるようお手伝いを続けることが大切なのだということを学び、視野が広がった気がします。またスタッフの方々のお客様を気遣う気持ち、お客様がスタッフさんを信頼する気持ちが私にもすごく伝わってきて、思い合うことの大切さを改めて実感しました。私も、将来携わりたいと思っている児童福祉の仕事で、個人との向き合い方など、ここで体験したことを生かしていけたらいいなと思います。

Facility

担当者様

株式会社
でぃぐにてぃ

訪問介護員

(左)青野 有希さん

Yuki Aono

(右)由井 千智さん

Chisato Yui

心の距離を縮め、密に関わりながら「世界いち気持ちいい介護」を実践

訪問介護事業所「でぃぐにてぃ」では、お客様のご自宅を直接訪問し、身体介護や家事援助など、その方の生活の基盤となる支援全般を行っています。ご高齢の方はもちろん、小さなお子様から障害のある方まで老若男女さまざまなお客様にサービスをご提供するほか、ご自宅での介護にとどまらず、お客様が希望する場所へ一緒に出かける移動支援も行います。

私たちの強みは、なんといっても平均年齢26歳というスタッフの若さ。ベテランの介護職員に比べるとお客様が気軽に話しかけやすいため、きめ細やかなケアが可能で、満足度の向上にもつながっています。

訪問介護の仕事は、お客様としっかり向き合い、密に関われるのが魅力。家の中というのは、人にとってプライベートな空間です。そこにお邪魔してお体や家事などのケアを行いながら、次第にその方の生活の中に溶け込んでいくと、訪問するたびにお客様のちょっとした変化に気付けるようになります。また、お客様の警戒心や緊張感が解け、身の上話などをしてくださった時は、うわべではなく本当の意味でその方を知ることができたと実感します。もちろん体力も使いますし大変なこともいろいろありますが、とてもやりがいのある仕事です。

先輩スタッフは温かく、人間関係も良好です。訪問は一人で行いますが、事業所に戻れば仕事の悩みや相談事を話し合える仲間がいるのは心強いもの。みんなで介護技術の練習などブラッシュアップを重ね、チームワークを発揮しながら、理念に掲げる「世界いち気持ちいい介護」に日々取り組んでいます。

今日の体験では、久田さんは私たちに同行して実際の仕事を見学するだけの予定だったにも関わらず、率先して私たちを手伝ってくれました。そうした優しい気遣いや周囲への心配りはこの仕事にも生かせる部分なので、もし興味があれば介護の世界で活躍してほしいと思います。

本プロジェクトは厚生労働省補助事業介護のしごと魅力発信等事業 情報発信事業(WEBを活用した広報事業)として実施しています。(実施主体:楽天グループ株式会社)